研究背景

細胞内情報伝達経路

 標的細胞における細胞内情報伝達機構は、

  1.  小さな情報を大きな細胞応答に変える「情報の増強」
  2.  ひとつの情報を様々な場所に伝える「情報の同期」
  3.  いくつもの情報を合流させる「情報の統合」
を可能にしており、この意味で巨大な細胞社会を統御する精巧な仕組みということができます。

 私たちの研究グループは、特に生命の維持に不可欠なペプチドホルモンであるインスリン様成長因子(IGF)とインスリンの生理活性の調節機構に注目して研究を進めています。また、最近になって、栄養素であるアミノ酸自身が細胞内で直接シグナルを伝達して代謝や成長を制御することを明らかにしてきています。アミノ酸の組成の違いによる体代謝の制御機構・アミノ酸自身が伝達する未知のシグナルの同定などについても研究を進めています。

 このホームページでは、IGFやインスリンがどのようなホルモン・成長因子なのか、そしてどのような細胞内情報伝達機構を介して生理作用を発現するか、更に、食餌中のアミノ酸組成がどのように生体の恒常性を維持しているのか、アミノ酸が直接シグナルを伝達する代謝制御性アミノ酸シグナルについても概説していきたいと考えております。

研究背景:目次 生命を維持するための仕組み  戻る     次へ  インスリンファミリーペプチドとは